港区青山の税理士法人　総和。皆様の経営発展をお手伝いするベストパートナーでありたいと考えています。会社設立や税理士変更などのご相談、ご依頼を承っております。

2023年10月に導入されたインボイス制度（適格請求書等保存方式）は、多くの中小企業やフリーランスに大きな影響を与え続けています。「もう制度が始まったから大丈夫」と思っていませんか？

実は、インボイス制度は「これで終わり」ではありません。制度導入後の実務的な課題や、経済への影響を踏まえ、政府は継続的に制度の「手直し」を進めています。特に、2026年にかけての中小企業に対する影響は、経営の安定に直結する重要な論点です。

1. 制度導入後の現状と今後の「手直し」の方向性

インボイス制度は、導入当初から事務負担の大きさや、免税事業者への影響が懸念されていました。これに対し、政府はすでに「2割特例」や少額特例など、いくつかの緩和措置を講じています。

しかし、これらの特例措置には期限があり、期限切れ後の「激変緩和」が今後の最大の焦点となります。特に、以下のような点が変更の論点として有力視されています。

・免税事業者との取引に関する経過措置の期限延長：

現在、免税事業者からの仕入れであっても一定割合の仕入税額控除が認められる経過措置がありますが、その期限（特に2026年10月以降）の扱いが注目されています。

・少額取引に関する特例の見直し：

現在の少額特例の適用範囲や要件について、今後さらに簡素化を求める声が上がっており、適用対象の拡大や電子インボイスの普及に伴う見直しが予測されます。

2. 中小企業が受ける影響予測（2026年以降）

影響予測１：免税事業者との取引コストの増大リスク

現在、経過措置によって仕入税額の一部が控除できていますが、この措置が終了（2026年9月）すると、免税事業者からの仕入れにかかる消費税は全額、自社の負担となります。
このリスクを回避するために、適格請求書発行事業者（課税事業者）への切り替えを促す動きがさらに強まる可能性があります。

影響予測２：デジタル化への移行の加速

インボイス制度と同時に、電子帳簿保存法への対応も必須となっています。これに対応できない企業は、取引のスピードやコスト面で不利になる可能性があります。

3. 専門家が提案する「今すべき」戦略的対応3点

制度の変更に振り回されることなく、安定した経営を続けるために、今すぐ次の3点を実行してください。

・「免税取引の棚卸し」とリスク管理の徹底：

自社の仕入れ先のうち、「免税事業者からの仕入れがどれくらいあるか」を正確に把握してください。2026年10月以降、仕入税額控除がゼロになることを見越したシミュレーションを行い、取引先への対応方針（価格交渉、課税事業者化の推奨など）を明確にしておくことが重要です。

・「記帳方法の再確認」とデータ管理のデジタル化：

インボイス制度では、帳簿や請求書の記載事項が複雑になりました。現在の記帳方法が、税務調査で問題ないレベルにあるか、改めて専門家と確認すべきです。

・「税理士との定期的な戦略会議」の実施：

経営判断に影響を与える改正を見逃さないためには、「改正論点」の予測と「自社への影響」を定期的に専門家と議論する体制が必要です。

インボイス制度への対応は、単なる事務作業ではなく、企業の未来のキャッシュフローと取引戦略を左右する重要な経営判断です。

私たちは、制度変更の波に揺るがない、盤石な税務・経理体制の構築をサポートします。未来を見据えた戦略的なインボイス対応について、ぜひ一度ご相談ください。

👉2026年以降を見据えた個別相談はこちら

• Facebook
• X
• Google