そうわ通心 8月号 『会計監査』最大の問題点


夏休みのご予定は決まりましたか。私は今年も佐賀に帰って母親に近況報告といったところでしょうか。

今月は東芝で話題になっている粉飾決算事件について書いてみたいと思います。私は20年ほど前まで大手監査法人に勤めておりましたが、当時大手スーパーの監査に携わったことがあります。そのスーパーは中国にいち早く進出して世界に出店を進めていた成長企業です。当初は各地に出店をしていて絶好調でしたが、次第に不採算の子会社や関連会社が増えていき、資金繰りが大変になっていきました。そのような中で粉飾決算を行わなければならないほど業績が悪化していったのです。

一般的に、最初は経理部長や役員の方から担当の公認会計士に相談があって、程度が小さければ粉飾を認めるケースはあります。それが場合によっては何年にも渡って行われ、粉飾金額が大きくなっていくのです。前任の公認会計士からの引き継ぎでだんだん事が大きくなってしまうと自分の責任で否定できなくなってしまいます。この重圧は計り知れません。いつか業績が良くなって粉飾も清算されるだろうと期待して認めてしまうこともあると思います。東芝もこのような過程を踏んで今日に至ったのではないでしょうか。

 

 

名門の大企業ほど公認会計士が粉飾決算を見つけられなかったというケースはないと思います。会社と公認会計士がなれ合いで決算を行ってきたからです。

しかし、いつかは隠し通せないタイミングが出てきます。その時はもう遅いのです。多くの株主や投資家、取引先、金融機関、消費者に多大な損害を与えてしまうことになりかねません。

公認会計士の責任は益々問われていくでしょう。私は制度の見直しが必要だと思います。最も大きな問題は、監査報酬を顧客からもらっていることだと考えています。厳しいことを言わなければいけない立場にありながら、報酬を顧客からもらっているということは、厳しいことは言えないということなのです。ちょっと矛盾していませんか(笑)。この点を改善しないことには根本的な解決は難しいと思います。では誰から報酬をもらうのか、今後の議論が期待されるところです。
今月もどうぞよろしくお願いいたします。


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