最新税務かみくだき

消費税改正の流れ

消費税法の改正による税率アップがいよいよ現実味を帯びてきました。税率は、①26年4月1日~8%、②27年10月1日~10%、と2段階の引上げを予定しています。また、税率アップの逆進性対策として所得の少ない人に対してより多くのお金を給付しようとする、いわゆる給付付き税額控除への取り組みの一環として、各納税者(個人,法人)に番号をつけ,その番号によって各納税者に関する資料を収集し,その所得を集計するマイナンバー制度も27年1月にスタートを見込んでいます。

税率アップの課題

事業者の皆様に視点を移しますと、税率アップとともに話題にあげられるのは、事務負担等を考慮した現行制度の扱いとなります。簡易課税制度を採用されている事業者にとってはみなし仕入率の検討がされるものの、単一税率や総額表示などとともに現行制度に動きはなさそうです。したがって、2段階の税率アップを適正に転嫁して元請に消費税額を請求できるか、あるいは消費者に販売できるかがカギを握り、赤字となっている事業者を中心に滞納額が膨らむ懸念が増すところです。

消費税転嫁対策特別措置法

ところで、26年10月1日から29年3月31日までの期間、消費税転嫁対策特別措置法が施行され、大規模事業者に比し、立場の弱い事業者が擁護されていく法律が作られました。具体的には平成26年4月1日以降に供給する商品又はサービスについて,下記のような大規模事業者が行う消費税の転嫁を拒む行為等が禁止されます。

  1. 契約上本体価格に消費税分を上乗せした額を対価とする事としていたが、消費税分を事後的に減じるケース
  2. 原材料費の低減等の状況変化がない中で,税率引上げ分を上乗せした額よりも低い対価で買いたたかれるケース
  3. 消費税率引上げ分を上乗せすることを受け入れる代わりに,取引先にディナーショーのチケットを購入させるなどのケース
  4. 本体価格で交渉したいという申出を拒否するケース
  5. 転嫁拒否をされた事業者が,取引の数量を減らしたり,取引を停止するなどの報復行為をとるケース

違反行為をしたときは50万円以下の罰金だけど、抜け穴が心配だ~!(ToT)

平成26年4月1日以降に供給する商品又は役務を対象に,中小事業者の3分の2以上がカルテルを結び、公正取引委員会に事前に届け出た場合に限り、転嫁カルテル(中小の業界団体などが増税分の価格上乗せの方法を共同で決定する方法)や表示カルテル(業界が消費税の価格表示方法を決める方法)を用いることが独占禁止法の適用除外となります。同様の措置は消費税導入前の昭和63年12月から平成3年3月まで実施されてもいました。
ちなみに、税込価格や税抜価格(本体価格)を決めることは,適用除外の対象にはなりません(独占禁止法に違反する行為ですので注意してくださいね。)。

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